「災害と女性」ページ;2011.03.11東北地方太平洋沖地震に際して
2011年03月13日設置

大分県生活環境部県民生活・男女共同参画課による「女性の視点からの防災対策のススメ」(2007年02月)は、このページの下のほうにありますので、スクロールしてください。

■内閣府中央防災会議「地方都市等における地震防災のあり方に関する専門調査会」委員・特定非営利活動法人イコールネット仙台代表 宗片恵美子さんによるプレゼンテーション

「災害時における女性のニーズ調査〜なぜ防災・災害復興に女性の視点が必要か〜」@第6回「地方都市等における地震防災のあり方に関する専門調査会」(2011.03.1)
(15ページ)
避難所運営に関する提案
1.運営体制の責任者に女性を配置する。
2.性別に配慮した避難所の設計を工夫する。
3.地域の医療機関・助産機関・保健センター・保育・教育機関等と連携して運営にあたる。
4.女性に必要な物資、女性に配慮した設備や相談窓口を被災マニュアルに盛り込む。
5.避難所内のトイレを安全な場所に設置するなど、女性や子どもが被害に遭わないように配慮する。
6.高齢者・障がい(児)者・妊産婦・乳幼児を持つ親等のための福祉避難所を第二避難所として設置する。(仙台市52ヶ所)
第6回「地方都市等における地震防災のあり方に関する専門調査会」議事概要


■「ウィメンズネット・こうべ」の正井礼子さんによる手記(『阪神大震災から10年 未来の被災者へのメッセージ』編集・発行:阪神大震災を記録しつづける会、制作・発売:神戸新聞総合出版センター、2005年)

女性・子どもへの暴力 正井礼子「ウィメンズネット・こうべ」代表


■大分県生活環境部県民生活・男女共同参画課が、2007年02月に、「女性の視点からの防災対策のススメ」を発行していますが、そこに「避難所生活での工夫」がありますので、抜き出してお知らせします。
 また、その下には、昨年12月17日に閣議決定された「第3次男女共同参画基本計画」の第14分野「地域、防災・環境その他の分野における男女共同参画」より防災部分を抜き出します。

・各避難所での生活がすでに始まっています。すべての避難所に下の情報を届けることが必要です。
・各避難所で女性たちがつながり、この情報を共有することが必要です。
・「避難所運営委員会」も設けられるはずです。そこに確実に下の情報を届けることが必要です。
・避難所運営委員会に、下の情報をもった女性が加わることが必要です。


(左の画像をクリックすると、pdfファイルをダウンロードできます。このファイルが置かれていたページは、「『災害と女性』情報ネットワーク」ウェブサイトにリンクされていましたが、リンク先の大分県ウェブサイトページがなくなっているため、こちらでダウンロード可能にしたものです。)



■大分県生活環境部 県民生活・男女共同参画課が「女性の視点からの防災対策のススメ」(19年2月発行)より「避難所生活での工夫」

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 もしもあなたの地域で災害が起こり、 避難所生活を余儀なくされたら…

 安全・安心・快適な空間を確保しましょう

 避難所では、限られた空間で多くの人々が集団で生活をすることになります。被災者が、更なる二次災害を受けることがないよう、次のような工夫を図ることが必要です。

●一人暮らしの女性や高齢者・障がい者 、乳幼児のいる家族等の被災者の状況に応じ、 間仕切りをするなどの配慮を行い、快適な居住スペースの確保に努めましょう。
●仮設トイレの設置にあたっては、特に女性や子どもの安全・安心に配慮した場所や通路を確保しましょう。
●男女別の更衣(又は化粧)スペースを用意しましょう。
※女性用化粧室には、鏡や女性用品を準備しておくと便利です。
●女性用洗濯物の干し場を確保しましょう。
●乳幼児のいる家族に配慮した授乳スペース・育児スペースを確保しましょう。
●女性や子どもへの暴力を防止し、心身の健康を守るために、女性や子どものための相談窓口を設置しましょう。
※過去の大震災では、女性や子どもに対する暴力(ドメスティック・バイオレンス、性犯罪等)が増加したという調査報告があります。
●イベントの開催や、誰もが利用できるフリースペースを確保し、心身のリフレッシュやストレス解消を図りましょう。

 このような空間を確保することで、被災者同士のプライバシーや、特に女性の安全・安心が守られることになります。


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 安全・安心・快適な避難所生活を確保するため、 さまざまな工夫を図りましょう

 みんなで共同して作業をしましょう

 阪神淡路大震災や新潟中越地震などの過去の災害発生時の経験では、男性は早い段階で職場へ復帰する一方、不便な生活環境の下での家事や育児などの家庭的責任に対する負担が、女性に集中してしまいました。このような事態がおこらないよう、避難所内外での作業をみんなで共同することが重要です。具体的には、次のような作業が考えられます。

●食事の準備や片づけ
●物資の配布等
●共有スペースやトイレの掃除
●ゴミの処理
●行政との連絡
●防犯(見回り)
●イベントの企画及び開催
●家の後片づけなどの復旧作業など

 みんなで作業を共同することで、被災者がお互いの活動を評価し、尊重しあえるようになります。

 男女のニーズの違いに的確な対応をしましょう

 刻々と変化しつつある状況に柔軟に対応していくために、常に被災者のニーズを把握するよう努めましょう。 避難所の運営のあり方を決める際にも、被災者の声を幅広く聞き入れることができるような工夫をしましょう。

●避難所運営には、男性と女性の責任者を配置しましょう。
●生活者の視点に立ったニーズが把握できるよう女性の意見を積極的に聞きましょう。
●避難所生活や生活再建などの問題でストレスを抱えた人々のために、避難所内に各種相談窓口や意見箱を設置しましょう。
●被災者が求める情報が正確に、避難所のすべての人にわかりやすく伝わるよう、伝達方法を工夫しましょう。 特に、移動が困難な人や視覚・聴覚障がい者の人などに対する配慮をしましょう。
●女性が日頃から培ってきた地域の人的ネットワークやご近所づきあいなどの地域コミュニティを活用し、被災者の安否確認や避難所での声かけを行いましょう。

共同作業のポイント

● 個人の能力・才能・特技を生かしましょう。
● 一つの活動(作業)において、性別が偏らず、 男女がともに活躍できるようにしましょう。
● みんなが公平に作業を行えるようローテーションを組みましょう。
● 日中、夜間、休日等いろいろな時間帯に対応できるようにしましょう。




第3次男女共同参画基本計画(2010年12月17日閣議決定)

「第14分野 地域、防災・環境その他の分野における男女共同参画の推進」より

4 防災における男女共同参画の推進

施策の基本的方向

 被災時には、増大した家庭的責任が女性に集中することなどの問題が明らかになっており、防災(復興)の取組を進めるに当たっては、男女のニーズの違いを把握して進める必要がある。これら被災時や復興段階における女性をめぐる諸問題を解決するため、男女共同参画の視点を取り入れた防災(復興)体制を確立する。

具体的施策( )内は担当府省

ア 防災分野における女性の参画の拡大

・地域防災計画等に男女共同参画の視点や高齢者・外国人等の視点が反映されるよう、地方公共団体に対して要請するなど、その推進を図る。(内閣府、総務省)

・防災分野での固定的な性別役割分担意識を見直すとともに、防災分野における政策・方針決定過程への女性の参画を拡大する。(内閣府、関係府省)

イ 防災の現場における男女共同参画

・災害時における女性高齢者等の被災が多いため、防災施策の立案、実施及び情報提供に当たっては、女性、高齢者、外国人等の視点も踏まえる。また、緊急時における連絡体制の整備や、避難誘導等に関して平時からの高齢者、外国人等に対する知識の普及・学習機会の拡充を図る。(内閣府、関係府省)

・地方公共団体の災害に関する各種対応マニュアル等に男女共同参画の視点を踏まえるよう支援を行う。(内閣府、総務省)

・男女の参画や、災害や防災に関する知識の修得を進める。また、固定的な性別役割分担意識の見直し、方針決定過程への女性の参画の促進、及び女性リーダーの育成など、男女共同参画の視点を取り入れることを推奨する。(内閣府、関係府省)

・避難場所や災害ボランティア活動などの場において、安全の確保など男女共同参画の視点からの配慮がなされるよう図る。(内閣府、関係府省)

・消防職員・消防団員、警察官、自衛官等について、防災現場に女性が十分に配置されるよう、採用・登用の段階を含めて留意する。また、平時訓練などその職業能力の向上についても配慮する。(警察庁、総務省、防衛省)

ウ 国際的な防災協力における男女共同参画等

・「防災協力イニシアティブ」(平成 17 年1月 18 日)に基づき、国際的な防災協力に当たっては、男女共同参画の視点を踏まえて援助を行う。(外務省、関係府省)