2014年3月18日に、山梨市民会館で開催予定だった上野千鶴子さんの講演会「ひとりでも最期まで自宅で」が、市長の判断で直前に中止になりました(下は、山梨市の広報3月号より)。
国分寺市での「事件」の時には、東京都が国分寺市の企画を潰してしまったのだけれども、今回は、市長が直接判断して中止を決めています。その点では、平川和子さんの講演会が中止になった「つくばみらい市事件」と同じかたちです。中止の判断を行った望月清賢市長は、日本会議地方議員連盟の会員のようだし、これも同じかたちだといえるでしょう。
「上野千鶴子さん「過剰な自主規制」 山梨市の講演中止」@朝日新聞デジタル
http://digital.asahi.com/articles/ASG3H6W0JG3HUZOB00P.html
2014年3月15日22時29分
山梨県山梨市が社会学者上野千鶴子さんの講演会「ひとりでも最期まで在宅で」を中止した問題で、上野さんは15日夜、自身のブログに反論を掲載した。契約不履行に伴う損害賠償請求訴訟など法的対応に触れながらも、望月清賢市長が中止を撤回するなら「予定通り18日に講演する用意がある」と、市の対応を当日まで待つと宣言した。
ブログでは、市長名の文書で「当日の運営に支障をきたす恐れがある」と説明されたとし、脅迫などを受けていないのに「過剰な自主規制です」「少数のクレームで中止するとはあってはならない」と批判。性をめぐる過去の発言や著書のタイトルが問題視された点も「講演のテーマに無関係」「天にも地にも恥じる所はない」と反論した。
講演会は164人が申し込んでいたが、「公費で催す講演会の講師にふさわしくない」とする意見が約10件、市に寄せられた。望月市長は「市の講師にふさわしくない。会場が混乱すると上野さんにも迷惑がかかる」として5日に中止を決めた。
「新市長の方針?:上野千鶴子さん講演「表現強すぎ」中止に」@毎日新聞
http://mainichi.jp/select/news/20140316k0000m040028000c.html
毎日新聞 2014年03月15日 18時55分(最終更新 03月15日 21時39分)/山梨版にも同一記事
山梨市が18日に予定していた社会学者の上野千鶴子さんの講演会について、過去の発言などを理由に中止したことが分かった。望月清賢市長は「市民から抗議もあり、公費開催はふさわしくないと判断した」と説明。上野さんは「市長の権力乱用だ」と反発している。
市介護保険課によると、講演会は18日、市民を対象に在宅医療や介護をテーマに市民会館で開く予定だった。在宅医療の問題に取り組む上野さんに昨年10月、講師を依頼し、既に164人が参加を申し込んでいた。
しかし、市側は今月に入って上野さんにメールで中止方針を伝え、12日に職員が上野さんを訪ねて「市民からさまざまな意見があり、運営に支障をきたす恐れがある」などと記した望月市長名の文書を渡した。
望月市長は取材に対し、過去に新聞に掲載された少年の性を巡る上野さんの意見などを挙げて「(表現が)強すぎる。当日に混乱が起きる可能性もある」などと説明。上野さんは「市から依頼される前の発言で、今回のテーマとも関係がない。納得できない」と話している。
望月市長は前自民党県議で、今年2月の市長選で初当選した。【山口香織】
「「過去の発言問題」と山梨市 上野千鶴子さん講演中止」@東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014031502000108.html
2014年3月15日 朝刊
山梨県山梨市が、十八日に予定していた社会学者上野千鶴子さんの講演会を急きょ中止にしていたことが十四日、分かった。「過去の発言などから、講演会の運営に支障を来す恐れがある」と判断したという。
上野さんは共同通信の取材に「筋の通らない決定だ。中止の理由には納得していない」とコメントした。
山梨市によると、昨年十月、上野さんに在宅医療や介護をテーマにした講演を依頼。二月から市のホームページなどで参加者を募集し、百六十四人が申し込んだ。しかし市民から「問題発言の多い上野さんを公費で呼ぶことはおかしい」などの意見が複数寄せられ、望月清賢(せいき)市長が中止を決めた。
市は五日、講演会を中止することを上野さんにメールで連絡。十二日には市長名の文書を、職員が上野さんに手渡した。
望月市長は取材に、少年の性をめぐる上野さんの過去の発言などに問題があったとして「講演会での発言によっては、会場で混乱を招く恐れがあり、講師として公費で呼ぶことはふさわしくないと判断した」と話した。
「「過激な言論ある」上野千鶴子さんの講演会中止」@YOMIURI ONLINE
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20140314-OYT1T01189.htm
18日に山梨市で開催予定だった社会学者の上野千鶴子さんの講演会について、主催する同市が「上野さんの過去の言動が講師としてふさわしくない」として、中止を決めたことが14日、わかった。
市介護保険課によると、昨年10月、「おひとりさまの老後」などの著書がある上野さんに在宅医療や介護をテーマに講演を依頼。聴講希望の募集には164人の申し込みがあった。だが、市に対し「性について過激な言論のある上野さんを呼ぶのはどうか」などの意見が複数寄せられたため、市は今月5日、中止を決めたという。
望月清賢市長は「混乱を招くおそれがあるため」と中止の理由を説明。上野さんは「過去の発言と今回の講演内容は無関係で、筋が通らない。納得できない」と話している。
(2014年3月15日07時35分 読売新聞)
「山梨)「学ぶ自由を侵害」と批判も 上野さん講演中止」@朝日新聞デジタル山梨県版
http://digital.asahi.com/articles/ASG3G61RXG3GUZOB00V.html
2014年3月15日03時00分
社会学者の上野千鶴子さんによる在宅介護をテーマにした講演会を山梨市が中止した。介護とは関係のない、上野さんの過去のコラムなどを問題視したものだが、識者からは「市民が学ぶ自由を侵害する」と批判の声も上がっている。
講演会は「ひとりでも最期まで在宅で」のタイトルで、18日夜に山梨市民会館で開催される予定だった。市介護保険課は「上野さんは在宅介護や訪問診療の実情に詳しい。病院や施設ではなく、住み慣れた家で最期まで暮らすにはどうすればよいか話してもらう予定だった」と説明する。
2月下旬発行の市広報誌3月号で参加者を募集したところ、上野さんの過去の発言を挙げて「公費を使うのはいかがか」という苦情がメールなどで約10件寄せられた。2012年12月に朝日新聞に掲載された男子中学生の性欲に関するコラムのほか、沖縄問題に関するツイッターのつぶやきなども例示されていたという。
望月清賢市長は「性に関する発言や著書タイトルを見て、市が主催する講演会の講師としてふさわしくないと考えた。会場で混乱が起きると上野さんに迷惑がかかるし、市民からも『市は何をやっているんだ』と批判を受ける。今回はお断りしたほうがいいと判断した」と話す。
これに対し、山梨学院大の山内幸雄教授(憲法学)は「市長の権力行使にも制限があり、中止にするならば合理的な理由が必要。事実ならば、市長は明確に理由を説明する責任がある」と話す。山梨大の石塚迅准教授(憲法学)も「中立であるべき行政が特定の思想信条を認めないように受け止められる。上野さんの思想の自由だけでなく、学びたいという市民の学問の自由を侵害することにもつながる」と指摘する。
3月5日の中止決定までに参加を申し込んでいた164人には、市がはがきで中止を連絡した。介護保険課には「講演を聴きたかったのに、本当に残念」という声が複数寄せられているという。(谷口哲雄、渡辺嘉三、松本千聖)
「山梨市、上野千鶴子さんの講演会中止 反対意見寄せられ」@朝日新聞デジタル
http://digital.asahi.com/articles/ASG3G3FZ5G3GUZOB002.html
2014年3月14日19時52分
山梨県山梨市が、18日に予定していた社会学者の上野千鶴子さんの講演会を中止したことがわかった。介護や、最期までひとりで生きる心構えを語る予定だったが、上野さんの別のテーマでの発言を問題視する人から反対が寄せられ、市長が中止を決めた。
市によると、講演は昨秋、依頼。今年2月に広報し、164人の参加希望があった一方、上野さんのツイッターやコラムでの発言を例に「公費で催す講演会の講師としてふさわしくない」という意見が約10件メールなどで寄せられた。
例示されたのは、読者の悩みに答える朝日新聞のコラム「悩みのるつぼ」で、少年の性欲の悩みに対し、異性とのつきあいについて上野さんが答えた2012年12月8日付の回や、「セクシィ・ギャルの大研究」「スカートの下の劇場」などの著書タイトル。
今年2月の市長選で初当選した望月清賢(せいき)市長が問題視し、市は3月5日に中止を決め、参加希望者に連絡した。市のサイトでも「諸事情により中止」と説明している。
望月市長は14日、取材に対して「寄せられた資料を見て、市の講師としてはふさわしくないと判断した。会場が混乱するようなことがあると上野さんにも迷惑がかかる」と説明した。
上野さんは「5日に市の担当者から講演中止のメールが来た。市長名の公文書を要求し、12日、担当者が持参し説明に来た。講演テーマとは関係ない話で反対がいくつかあったというが、164人と多くの人が申し込んで楽しみにしていてくれたもので、納得いかない」と話している。
「過去の発言理由…上野千鶴子さん講演、中止に 山梨市」@MSN産経
http://sankei.jp.msn.com/life/news/140314/trd14031419010019-n1.htm
2014.3.14 18:58
山梨県山梨市が、18日に予定していた社会学者上野千鶴子さんの講演会を急きょ中止にしていたことが14日、分かった。「過去の発言などから、講演会の運営に支障を来す恐れがある」と判断したという。
上野さんは共同通信の取材に「筋の通らない決定だ。中止の理由には納得していない」とコメントした。
山梨市によると、昨年10月、上野さんに在宅医療や介護をテーマにした講演を依頼。2月から市のホームページなどで参加者を募集し、164人が申し込んだ。しかし市民から「問題発言の多い上野さんを公費で呼ぶことはおかしい」などの意見が複数寄せられ、望月清賢市長が中止を決めた。
市は5日、講演会を中止することを上野さんにメールで連絡。12日には市長名の文書を、職員が上野さんに手渡した。
「上野千鶴子さん講演会 過去の発言理由に中止 山梨市識者「思想選別」と指摘」@山梨日日新聞(紙版)
2014.03.14
山梨市は13日までに、18日に市内で予定していた社会学者上野千鶴子さんの講演会を中止することを決めた。市が昨年10月に講演を依頼し、上野さんは介護をテーマに講演する予定だったが、望月清賢市長が就任後、中止を決めたという。望月市長は取材に「少年の性をめぐる過去の発言などから、講師にふさわしくないと判断した」と説明した。上野さんは「講演内容とは関係なく、納得できない」と反発。専門家からは「思想信条を選別するような行為だ」との指摘が出ている。
市介護保険課によると、上野さんが在宅介護などの問題に熱心に取り組んでいることに着目し、昨年10月に講演を依頼。上野さんも了承した。2月から市の広報誌などで参加者を募集、164人が申し込んでいた。
しかし市には、上野さんの過去の発言を問題視した市民から「講師としてふさわしくない」との声が複数寄せられていたという。望月市長は取材に「上野さんの経歴や過去の発言から、抵抗がある人もいる。発言によっては会場で混乱を招く恐れがある」と中止の理由を説明した。
市は3月に入り、上野さんに「諸事情」を理由に中止することをメールで伝えたが、上野さんが詳細な説明を求めたため、市職員が12日、北杜市にある上野さんの仕事場を訪問。「講演会当日の運営に支障をきたす恐れがあることから、やむを得ず中止とさせていただく」などと記した望月市長名の文書を渡した。
中止の理由について、上野さんは「市長が問題にしている私の発言は、講師依頼を受けてからのものではなく、今回の講演テーマとは関係のない話。抗議があったというが、講演を楽しみに申し込んでくれた人もいて、中止は納得できない」と話している。
山内幸雄山梨学院大法学部教授は「一部の発言をことさらに取り上げて、中止の理由とするのは乱暴で、思想信条を選別するような行為。なぜ中止としたのか、市長は説明する責任がある」と話している。
〈高野芳宏、長田和之〉
「上野千鶴子さん講演会 過去の発言理由に中止 山梨市 識者「思想選別」と指摘」@山梨日日新聞
http://www.sannichi.co.jp/local/news/2014/03/14/2.html
2014/03/14 05:50
山梨市は13日までに、18日に市内で予定していた社会学者上野千鶴子さんの講演会を中止することを決めた。市が昨年10月に講演を依頼し、上野さんは介護をテーマに講演する予定だったが、望月清賢市長が就任後、中止を決めたという。
望月市長は取材に「少年の性をめぐる過去の発言などから、講師にふさわしくないと判断した」と説明した。上野さんは「講演内容とは関係なく、納得できない」と反発。専門家からは「思想信条を選別するような行為だ」との指摘が出ている。
主催者である経済産業省の政務官でありながら、そんなことを言うなんて、もうコトバもないわと思っていたところ、抗議の声を怖がったのか、ハトヤマ氏にでも怒られたのか、15日各紙に掲載された共同通信配信記事では、反省の弁を述べている。誰かというと、中山義活衆議院議員(東京2区)。
どんな発言だったのかというと、「日本の女性は家庭で働くことを喜びとしている」。それは「日本の文化だ」。「日本の奥さんは力がある。デパートに行けば、初めに子どものもの、次に奥さんのもの、その次がペットのもの。4番目にご主人のものを買う」など。
どんな場所での発言だったかというと、10月1日に岐阜で開かれた「女性起業家サミット」の昼食会スピーチ。この「女性起業家サミット」というのは、11月に横浜で本体会合が開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)中小企業相会合の、関連イベントなのである。前回の開催国であるUSAで、ヒラリー・クリントンの肝入りで行われ、今回日本でも開催の運びとなった模様。開会時には同氏のビデオ・メッセージも流れたとか。
下の写真は、その時の同政務官。昼食会ではなくて、開会スピーチか何かだろう。経産省ウェブの「女性起業家サミット」ページにはりつけられている(はりつけられているのはもっと小さな写真。クリックすると大きくなる。それが下の写真)。ああいう発言をした人物の写真を使わざるを得ない経産省が気の毒、というか、マズイことを言わないように気をつけなきゃいけないのにそれを怠った愚かな経産省? いや、そもそも気にしていなかったとも考えられる。経産省だから。どういうつもりでこの行事をやっていたのか。
まず毎日新聞が記事にした。
「中山政務官:「日本の女性は家庭で働くことが喜び」と発言」@毎日jp
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20101003k0000m010097000c.html
アジア太平洋経済協力会議(APEC)中小企業相会合の関連会議として1日に岐阜市で開かれた「女性起業家サミット」の昼食会で、経済産業省の中山義活政務官(65)が「日本の女性は家庭で働くことを喜びとしている」などと発言。簡易ブログ「ツイッター」で女性たちの批判が集中した。
中山政務官は女性の社会参加推進を強調する一方で、日本女性が家庭で働くことを「文化だ」と発言。「日本の奥さんは力がある。デパートに行けば、初めに子どものもの、次に奥さんのもの、その次がペットのもの。4番目にご主人のものを買う」などと語った。
発言直後から「一緒のテーブルの女性陣からすごいブーイング。(発言は)世界の女性の意識にまったくついていけていない。日本への評価が下がる」など批判の書き込みが続いた。
中山政務官は2日、毎日新聞に「女性が十分に家庭で働いているという事実を言っただけ。差別するつもりはない」と説明した。経産省幹部は「自立した女性の集会だけに、もうちょっと言い方があったかも……」と話した。
女性起業家サミットはクリントン米国務長官の呼び掛けで日米両国政府が主催。APEC加盟21カ国・地域の女性企業経営者ら約300人が参加し、女性の社会進出などについて議論した。【石山絵歩】
毎日新聞 2010年10月3日 2時30分
これに時事通信が追随。
「「日本女性は家庭に喜び」=中山政務官の発言に批判」@時事ドットコム
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010100300141
3日閉幕したアジア太平洋経済協力会議(APEC)の中小企業相会合に併せ、1日に岐阜市で開催された「女性起業家サミット」で、経済産業省の中山義活政務官が「日本の女性は家庭で働くことを喜びとしている」と発言し、ツイッター(簡易ブログ)上で批判を浴びている。
中山氏は、女性の社会進出が進まない原因を探る討論会に、パネリストの1人として参加。APEC加盟21カ国・地域から出席した約300人の女性ビジネスリーダーを前に、女性が家庭で働くのは「日本の文化」とも言い切った。同時に、女性に活躍の場をつくる重要性も強調したが、会場からは失笑が漏れていた。
その後、ツイッターでは「かなり古くさい思い込み」「国民と意識が乖離(かいり)している」などの書き込みが相次いだ。 (2010/10/03-18:46)
さらに数日後、日経ビジネスオンラインのコラムやなにかも出てきた。
「「女は家庭」、中山大臣政務官の不適切発言で考えた男女の“距離”の今」@日経ビジネスオンライン
(河合薫の新・リーダー術 上司と部下の力学)
2010年10月7日(木)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20101005/216512/?P=1
10/7【赤木智弘の眼光紙背】働く人間に社会的価値を与えられない、我が国日本@ライブドアニュース
http://news.livedoor.com/article/detail/5056375/
そうして、15日に共同通信の記事が出てきたというわけ。この配信を受け、掲載した地方紙は、『北日本新聞』、『富山新聞』『北國新聞』ら。共同通信の元記事と、これを改変なしでそのまま掲載した『北日本新聞』の記事画像(2010.10.15付け)を続ける。
「起業家らに「女性は家に」 経産政務官発言に波紋」@共同通信
2010.10.14
国内外の第一線で活躍する女性起業家らを招き、岐阜市で今月1日に開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)の「女性起業家サミット」で、ホスト役の経済産業省の中山義活政務官(65)が「日本女性は家庭で働くのが喜び」などと発言。これに対し「女性の経済参加を促す会議の趣旨と反対の時代遅れの発言」とインターネットなどで批判の声が高まり、女性団体が抗議に動くなど波紋が広がっている。
サミットは女性の活躍を経済発展の原動力と位置付け、APEC成長戦略の重要な要素になる会議。女性の地位向上に熱心なクリントン米国務長官の肝いりで日米政府共催で開かれ、加盟21カ国・地域から約300人が参加していた。
会議の席上で中山政務官は「日本人女性は家庭で働くことを喜びとしているし、文化になっている。(それを)もっと評価し(夫の)給料に還元できればいいが、男の方も厳しくなり、できなくなった」などと指摘。女性を「陰の実力者」と持ち上げつつ、女性が家庭を支えることが「日本の文化」だと繰り返した。
発言は、インターネットの短文投稿サイト「ツイッター」や口コミで広く伝わり「日本の国際評価が下がる」などブーイングが相次いだ。「悪気なく言っているのが致命的」「民主党は女性の社会進出に前向きだったはずなのに」との声も。
会議に参加した日本の女性起業家の一人は「今どき性別役割分担を強調するのは勉強不足。日本の後進性をさらしたようで恥ずかしい」と振り返る。彼女と話した米国人参加者は「米国では、差別意識はあっても公の場では決して口にしない」とあきれていたという。
各地の女性団体も抗議に動き始めた。今月7日には「中山政務官発言に怒る会」(岡田夫佐子(おかだ・ふさこ)代表)ができ、発言の撤回と謝罪を求める抗議メールを経産省に送るよう、全国の仲間に呼び掛けた。これまでに中山氏の地元の東京都台東区や北海道、愛知、富山、京都、高知などから賛同が集まっているという。
国連の委員会は昨年、日本政府に、法律や雇用、賃金などに女性差別が残っているとして改善を勧告。世界経済フォーラム(本部スイス)の男女平等指数でも日本は134カ国中94位と低い。
女性政策に詳しい坂東真理子(ばんどう・まりこ)昭和女子大学長は「女性は家に、とは20世紀のモデル。日本の国際ランクが低いのは世界の現実を見ない政治家が多いからだ」と酷評する。
日に日に強まる批判に中山氏は14日、取材に「反省している。女性がビジネスの場で、より活躍できるよう微力を尽くしたい」と答えた。
ところで彼はどうしてわざわざそんな場所でそんな発言をしたのか。たぶん彼なりに責務を果たしたのだろう。2004年2月26日の内閣委員会での質疑はこんなだったのだから。
私は、この記事の中でちょっと、どの記事にも書いてあるんですが、ジェンダーフリーという言葉が出てくるんですね。最近教育界ではやっているこのジェンダーフリーの教育によって、性差というものが否定されたり、または性差というものを、これは社会的に、後天的につくったものだから、そんなものがあることがおかしいので、違った教育をすれば違った男、女ができてくるというような考え方がここで示されているんですが、こういうジェンダーフリーなんというのは男女共同参画社会とかには全然関係ない言葉なんでしょう。関係あるんですか。
時々同じように、同じこの読売新聞の紙面でも出てくるということは、何か関係あるのかなと思っているんですが、これは関係ないんですよね。官房長官、関係ないでしょう、ジェンダーフリーと男女共同参画社会なんて、全く関係ないですよね。
(略)
地方のいろいろな教育機関の中に、こういう「すてきなジェンダーフリー」、これは我が台東区にもこういうのがあるんですが、または「未来を育てる基本のき 新子育て支援」、これには、生まれてから男は青いものを、女の子は赤いものを着せるなんて、そんなのはおかしいとかおかしくないとか書いてあるわけですね。こういうジェンダーフリーみたいなものが実際いろいろな教育機関で出回っていることは事実なんですね。これは現実なんです。皆さんが否定したとしても、現実なんですね。
だから、この読売新聞の提言していることは、要するに、男らしさ、女らしさがあんまり発揮できなくなってきたのはこういう教育が浸透してきた結果ではありませんか、そういう心配を書いているんですよ。まさかとか、ショッキングという言葉を使って書いている。私も読んだとき、ショッキングでしたね。やはり私は男ですから、男らしいと言われた方がいいですよ。中性に近いなんてとんでもない話で。
やはり今後、そういう面では、こういうものが出回っていることに対して、男女共同参画社会としては、全くかかわりがない、指導もしない、おれたちとは全く違う世界だ、こういうのならそういう答弁をしても結構ですし、いや、私たちはジェンダーフリーなんというのは地方自治体で使ってもらいたくないという指導をしている、または、こういう話は文科省とも話をしているとか、何かその辺についての情報をください。
国際婦人年連絡会がこの「公開質問状」を3候補宛に送付したのは9月13日。〆切りは15日。回答が公開されたのは、9月20日です。「連絡会」メンバーである「ふぇみん/婦人民主クラブ」のウェブサイトにアップされています。たいへんクリアな結果になっていますのでぜひご覧ください。